
ゴルフクラブのグリップが滑るようになったり、ベタつきや硬さを感じると、ショットの安定性が一気に崩れてしまいます。飛距離が落ちたり方向性が乱れたりと、「最近なんだかスイングが安定しない…」という悩みの原因が、実は“グリップの劣化”だった、というケースは珍しくありません。
しかし、グリップ交換をお店に依頼すると、1本あたり500〜800円ほどの工賃がかかり、10本揃えると5,000円を超えます。そのうえ、クラブを預ける必要があり、忙しい方には意外と負担が大きい作業です。
ですが安心してください。グリップ交換は、初めての方でも自宅で数分あればできる簡単な作業です。しかも、自分で交換すれば工賃がかからないため、10本交換しても節約額は5,000円以上。さらに、ネットには種類豊富なグリップが揃っているため、ショップではなかなか取り扱いのないモデルも自由に選べます。
この記事では、初心者の方でも失敗なくできるように、
- 必要な道具
- 正しい交換手順
- 初心者が失敗しやすいポイント
- 目的別おすすめグリップ
までを丁寧に説明しています。
記事を読み終える頃には、「自分でも交換できる」と安心しながら、購入すべき道具がすべて明確になります。ぜひ、今日からクラブメンテナンスを“自分で行うゴルファー”の仲間入りをしてください。
グリップ交換はなぜ必要なのか?【劣化がスコアに直結します】

グリップは、ゴルファーとクラブをつなぐ唯一のパーツです。
どれだけスイングが安定していても、グリップが劣化していると力が正しく伝わらず、結果的にスコアに悪影響が出ます。
グリップが劣化すると起きる問題
- ①すべりによるミスショット増加
-
表面の摩擦が弱まると、インパクト時に力が逃げ、方向性が大きく乱れます。
- ② 強く握ってしまい、スイングが固くなる
-
滑りそうな不安から握力が強くなり、
- ヘッドスピードの低下
- フィニッシュのバランス崩れ
といった悪影響が出ます。
- ③ ひび割れ・硬化によるフィーリングの悪化
-
ゴムの成分が劣化すると、グリップは硬くなり振動を吸収できません。
結果として手首や肘を痛めやすくなることもあります。
交換の目安は「1年 or 50ラウンド」
プロゴルファーは頻繁に交換しますが、アマチュアでも次の症状があれば交換のタイミングです。
グリップのゴムが劣化し、内部の油分が表面に染み出している状態です。
手に吸いつくような感触がありますが、これは“寿命のサイン”であり、汗や汚れと混ざると滑りやすくなります。
表面の保護膜が紫外線や乾燥で分解され、白い粉状になっている状態です。
摩耗が進んでグリップ力が弱まり、雨の日は特に滑りやすくなります。
摩擦がなくなり、握っても指が引っかからない状態です。
スイングの安定性が大きく損なわれ、ロフトが狂ったり方向性がブレる原因になります。
強く握らざるを得なくなるため、手首や肘の負担も増えます。
ゴムが乾燥しきって寿命が完全に尽きた状態です。
表面のひび割れは見た目以上にグリップ力が落ちており、雨の日は手を傷つける危険もあります。
この状態を放置するのはおすすめできません。
握ったときの“しなる感覚”が消え、グリップ全体が硬くなっています。
振動吸収ができなくなっているため、インパクト時の衝撃がダイレクトに手に伝わり、疲れやすくなります。
新品特有のしっとり感や柔軟性がなく、「あれ?なんか違う」と感じる場合は交換の目安です。
見た目は綺麗でも、手の感覚は正直で、性能が落ちたグリップはスイング全体に影響します。
特に夏場は汗で劣化が早く、思った以上にコンディションが落ちています。
ラバー成分が軟化 → 劣化 → 粉化 のサイクルが早く進むため、「まだ使えるだろう」と思っていても、意外とコンディションが落ちているケースが多いです。
放置したままプレーを続けると…

意外と多いのが、グリップの劣化を“技術不足”だと誤解してしまうケースです。
「飛ばなくなった気がする」
「方向性が安定しない」
「スイングが重く感じる」
こうした悩みの原因が、実は単純にグリップの寿命ということも多いのです。
道具が本来の性能を発揮できなければ、練習の効果も半減してしまいます。
自分でグリップ交換するメリット【工賃ゼロで高品質に仕上がります】

グリップ交換を自分で行う最大の利点は、費用の節約と自由度の高さにあります。
交換作業は難しそうに見えますが、実は慣れてしまえば数分で終わるほどシンプルな作業です。
ここでは、お店に依頼する場合との比較をわかりやすくまとめました。
メリット① 工賃がゼロ。10本で5,000円以上の節約に
ショップに頼むと、1本あたり500〜800円の工賃がかかります。
アイアンセット+ドライバー+ウェッジで10本の場合だと
工房依頼 → 5,000〜8,000円の工賃
自分で交換 → 工賃0円
つまり、グリップ代以外の余計な費用が一切かからず、年間を通して見ればかなりの節約につながります。
メリット② 好きな時間に作業できる【1本3〜5分の作業】
お店の営業時間に合わせて行動する必要はありません。
自宅で、朝でも夜でも、気が向いたときに作業できます。
- ラウンド前に1本だけ交換
- 雨の日の時間つぶしにまとめて交換
- 練習帰りにすぐ交換
このように、自宅メンテができるとクラブ管理が圧倒的に楽になります。
メリット③ グリップの選択肢が圧倒的に広がる
ショップでは品揃えに限りがありますが、ネットなら次のような人気グリップが豊富に選べます。
それぞれの特徴と「どんな方に向いているか」をわかりやすくまとめました。
柔らかいラバータイプ
最も一般的で、初心者から上級者まで多くのゴルファーが愛用しているタイプです。
手にフィットする柔らかさがあり、握ったときの安心感は抜群です。
衝撃吸収性にも優れており、長時間プレーしても手が疲れにくいのが特徴です。
雨や汗に強いコードタイプ
表面に糸(コード)が織り込まれたタイプで、圧倒的な滑りにくさが魅力です。
汗や雨でもグリップ力が落ちにくいため、安定したショットを追求したい方に最適です。
夏場のラウンドや、手汗の多い方にも非常に相性が良いモデルです。
女性向けの軽量グリップ
軽量設計で握りやすく、クラブ全体の重量バランスを崩さないように作られています。
細めのグリップ形状は手の小さな方でも握りやすく、振り抜きやすさをサポートします。
カラー展開が豊富で、デザインも楽しめるモデルが多いのも特徴です。
メリット④ “自分のスイングに合う太さ”に調整できる
グリップの太さを調整すると、スイングが安定するケースが多いです。
- 太め → スライスしにくくなる
- 細め → 手首を使いやすくなる
- 2重巻き → パワーヒッター向け
自分で交換できると、このような細かい調整が自由にできます。
グリップ交換に必要な道具と選び方【買うべきもの・買わなくていいもの】
グリップ交換をスムーズに進めるためには、必要な道具を正しく揃えることが大切です。
ただし、ネットにはさまざまな商品が溢れており、「結局どれが良いの?」と迷う方も多いはずです。
そこで、この章では 初心者でも失敗しにくい確実な道具の選び方 を、役割と理由と合わせてわかりやすく解説します。
必要な道具は全部で4つ!
結論から言えば、必要な道具は以下の4点です。
- 新しいグリップ
- 両面テープ(グリップ用)
- グリップ交換液(溶液)
- カッター or グリップリムーバー
それぞれの選び方と、おすすめのタイプを詳しく解説します。
① 新しいグリップ【種類で性能が大きく変わります】
グリップは、素材やデザインによって性能や使い心地がまったく違います。
選ぶポイントは 「素材」「太さ」「重さ」 の3つです。

② 両面テープ【専用品を選べば失敗しません】
グリップ交換用の両面テープは必須アイテムです。
幅は1.3〜2.0cmが一般的で、必ずグリップ専用のものを選びます。
絶対的にオススメなのが、バッファローの両面テープです!
市販の文房具用の両面テープは粘着力が弱く、グリップが回る(ズレる)原因になるので絶対に避けましょう。
③ グリップ交換液【作業のしやすさが段違い】
交換液は、グリップをシャフトに差し込む時の“潤滑剤”です。
これが少ないと途中で止まり、最悪やり直しになるため注意が必要です。
専用品を選ぶメリットは、匂いがほぼ無く、揮発性が高くて乾きやすいことです。(初心者でも安心)
ホワイトガソリンでも代用できますが、少し匂いが気になるかもしれません。ただし、コスパが良いのはホワイトガソリンです。
筆者はカナルのホワイトガソリンをいつも使用しています。
④ カッター or グリップリムーバー【安全性が変わります】
古いグリップを外す際には普通のカッターを使いますが、カーボンシャフトの場合はシャフトを削ってしまう恐れがあります。
その場合は先端がカギ形状になったグリップカッターを使用しましょう。
作業効率が格段に上がりますよ!
また、おすすめなのが、グリップリムーバー(専用工具) 。
交換頻度が高い方は、最初からリムーバーを買うほうが安心です。
グリップ交換の手順【初心者でも失敗しない完全ガイド】
グリップ交換は、一見難しそうに感じますが、正しい手順を理解すれば驚くほど簡単です。
ここでは、初めて作業する方でも迷わないように、各ステップでのポイントを詳しく説明します。
まずは、今ついているグリップを外します。
カッターでグリップの上から縦方向に切れ目を入れます。

切れ目を入れたら、そこからグリップをめくるようにして剥がしていきます。

ここが少し手間がかかる部分ですが、丁寧に行うほど仕上がりが良くなります。

古いグリップを外したら、シャフトに残っている古いテープを残らずに剥がします。
粘着が強くて剥がしにくい場合は、パーツクリーナーなどを吹きかけて溶かしましょう。

いよいよ新しいグリップを取り付ける準備です。

グリップの長さ分を目安に、シャフトにテープを巻きます。
テープを張る前に、シャフトに当ててグリップの長さを確認しましょう。

最後はシャフトの先端にテープを折り返し、キャップのように塞ぐと失敗がありません。

テープの巻く量を増やすことで、好みの太さに調整ができます。
交換液は、グリップをスムーズに装着するための重要アイテムです。

まずテープ全体に均一に交換液をかけます。
Daisoの水差しを使えば簡単に作業ができます。

新しいグリップの内部にもたっぷり入れましょう。

グリップ内部に流し入れた交換液は、シャフト側へ再度かけ流すと効率的です。

交換液が少ないと途中で止まり、抜けなくなる可能性があります。
「少し多いかな?」くらいがちょうど良いです。
準備ができたら、グリップを一気に挿入します。
グリップをシャフトにまっすぐ合わせ、奥まで一気に押し込みます。
入れた直後はまだ調整可能なので、ロゴの向きを整えます。
よくある失敗と対策
途中で止まる → 交換液不足。やり直しが必要です。
斜めに入った → 乾く前にやり直せばOK。
向きがズレた → 装着後30秒以内であれば調整できます。
交換液が揮発することで、テープがグリップとシャフトをしっかり固定します。

● 乾燥時間の目安
- 夏場:2~3時間
- 冬場:5~6時間
- 完全に安心なのは 24時間放置
● 注意点
- 乾燥中は絶対に触らないこと。
- ずれた状態で乾くと、もう直せません。
初心者が確実に成功させるためのまとめ
グリップ交換は、正しい知識と準備さえあれば、初心者でも失敗することはほとんどありません。
- 専用品を使うだけで、失敗の8割は防げます
- 交換液は“多すぎるくらい”が正解
- まっすぐ・一気に差し込むのが成功のコツ
- 向きの調整は「30秒以内」が勝負
- カーボンシャフトは“安全第一”で作業する
- 乾燥時間は「短くても触らない」
- 最初は“1本だけ”交換すればOK
初心者ほど「交換キット」を使うのが近道!
初めてのグリップ交換で一番おすすめなのは、必要な道具がすべて揃った交換キットを使うことです。
結果的に、時間・お金・失敗リスクのすべてを減らせます。
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